中小企業がベトナムのマーケットを攻略するには?

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中小企業がベトナムへ展開するのであれば、まず押さえるべきなのが日系企業です。現在、ベトナムには多くの日系企業が進出していますが、部品の多くは輸入に頼っています。その原因はいくつかあり、一つは地政学的な問題です。ベトナムは南北1,650km と縦長の地形をしています。ハノイ、ダナン、ホーチミンの3 大都市をつなぐ物流網が整備されていないため、3 大都市すべてに商品を供給するのに時間がかかります。交通インフラが整っている日本と、物流網がまだ十分に整備されていないベトナムでは勝手が違います。ですから、南部、中部、北部、それぞれ別々に供給拠点が必要になります。

ベトナム地図
さらにもう少しインドシナ半島全体を見てみると、香港が比較的近くにあります。今までは中国で大量生産された安い部品が、中国から輸入されてきましたが、近年ではチャイナリスクを考え、ベトナムに進出する企業が増えました。これまでは中国との近さが原因で、部品を中国から調達しベトナムで組み立てるという構図が成り立っていました。そのためベトナムで裾野産業を育てるために積極的に投資する大きな理由がなかったのです。ですから、ベトナムのローカル企業の発展はまだまだ遅れています。このような現状を踏まえたえで、ベトナム市場の攻略方法について解説します。

ベトナムの日系企業を攻める

中小製造・加工業がベトナムで商売をするのであれば、最優先すべきターゲットは日本企業です。大きな理由の1つが人件費です。ここ2、3 年、中国の人件費は上がり続けています。一方のベトナムの人件費は少しずつ増えていますが、その上がり方は中国ほどではありません人件費が全体の価格に跳ね返るため、中国で生産される部品の値段は上がってきています。

そこでベトナムでは裾野産業への必要性が高まってきています。現地へ工場をつくるのに、ようやく中小製造・加工業が参入しやすい状況になってきました。実際のところ、大手企業は現地調達を増やすべく、ローカル企業に目を付けはじめています。一部のローカル企業は仕事を請け負いはじめていますが、まだまだ十分なレベルに達していないのが現状です。ここで私たちがとるべき行動は、現地の完成品メーカーへのヒアリングです。どん
な問題を抱えており、何を解決したいのか? それを知ることが攻略の第一歩となります。

ベトナムのローカル企業を攻める

ベトナムのローカル企業のクオリティは日系企業と比べるとまだまだ低いのが現状です。現地のトップ企業であっても日本でいえば中の下くらいのレベルです。

<ローカル加工会社の実力は?>

1 つ事例を紹介します。私は2017 年6 月に、ハノイ郊外のローカル加工会社・BINH MINH TMC を訪問しました。金型や冶具が専門の加工会社で、工場には50 台以上の日本メーカーの切削マシンが並んでいました。案内していただいた同社のクアン副社長によると、良質な設備を探すためシンガポールへ行き、現地で中古マシンを扱っている商社から仕入れたそうです。一部の中古設備は日本からも買い付けています。クアン副社長は日本で2 年間、研修生として切削マシンの操作を学び、日本式のマネジメントを取り入れており、特に安全ルール、整理整頓、品質管理に力をいれていました。日本の製造現場を理解している副社長が工場のマネジメントしているところがこの会社の強みと言えます。

<日系企業への実績は?>

同社は既に在ベトナム日系企業へ金型や冶具を納入しています。日本からは今年初めて愛知県の企業からも受注をしたそうです。また現在ISO 取得を進めており、ますます日系企業との取引が加速することでしょう。2017 年7 月に来日されたときには、東京ビッグサ
イトで行われた展示会へ行ってこられたそうです。そこで日本企業の展示品を見て「私たちの技術は日系企業と比べたらまだまだ。恥ずかしい気持ちになった」と、おっしゃっていました。
私は、この謙虚な姿勢があれば、ベトナムの将来は明るいなと思いました。実際、この分野については素人の私が見てもまだまだという感じはします。しかし、事実として日系の大手企業が受け入れているのです。それだけではありません。注目に値するのが成長のスピードです。2008 年に創業した当初は、社長の個人事業でした。小さな作業所でローカル企業の下請けから始めました。そこから成長を続け、2013 年には従業員数が80 名を超えました。たった5 年でゼロから80 名です。2017 年現在では、さらに拡大し、新しい工場へ引っ越しをしています。工場は、よくあるローカル企業のそれとは違い、清潔に保たれています。日系企業のベトナム工場と比較しても合格レベルと言ってよいでしょう。

<中小加工会社はベトナム進出を考えるべき>

今回、紹介しましたBINH MINH TMC 社のように、日系企業に供給できるレベルに達しているローカル企業は増えつつあります。とはいうものの、ベトナムの加工産業は遅れています。なぜなら、中国という巨大な加工産業がすぐ近くにあるからです。しかし、中国での生産コストは高まり続けています。そしてコストバランスを見て、在ベトナムの日系工場は、現地調達率を上げることに力を入れ始めています。その証拠のひとつが今回紹介しましたBINH MINH TMC 社です。ベトナムは裾野産業がまだ育っていません。一方で、中国の生産コストの上昇により、裾野産業の成長に対する必要性が急上昇しています。繰り返しますが、日系の完成品メーカーがローカル企業からの調達を増やしていますよ!

<ライバルや大手企業が参入してくる恐怖>

では、中小製造業・加工業はどのようにして現地のマーケットに入っていくべきなのでしょうか?それにはいくつかの選択肢がありますが、まずは現地調査へ行ってみるというのが最も良い方法です。そこで、視察ツアーに参加するという方法がありますが、基本的に視察ツアーというのは売り込みが前提となっています。企画している企業はあなたの会社がベトナムに法人登記して、工場を設立してもらいたいから視察ツアーを企画しているのです。彼らの企画するツアーでは最も大事な情報を取ることができません。ではどこから情報を取るべきか?それは、あなたの会社にとって対象となるお客さんからの情報です。視察ツアーに参加する企業の製品分野は様々です。すべての参加者があなたと同じ分野ということはありません。私に言わせてもらえれば、実際に自分たちの商品を買ってくれるお客さんが抱えているニーズ、抱えている課題、悩みや不安などがわからなければほとんど意味がありません。さらに言えば、私たち中小企業は、どんなに統計データを研究しても正確な答えを見つけることはできません。

それには理由があります。たとえライバルや大手企業が進出していないブルーオーシャンがあったとしても、資本力がある相手が出てきたらすぐに市場を取られてしまう可能性があるからです。特に大手企業は、先に進出した企業の研究を徹底的してきます。実際、私も会社員時代に、ライバルに先駆けてヨーロッパへ展開しましたが、上手くいき始めたと思った2 年後、大手企業が参入してきました。彼らは、我々の動きをマークし、私たちの出る展示会、セミナーにすべて当て込んできました。会場に同じような商品が会場に2つしかなければ、お客さんは必ず2 つを比較します。つまり、私たちが呼び込んだ見込み客はこの大手企業のブースにも必ず行くということです。そこから価格競争がはじまりました。こ
れは、中小企業にとっては笑えないことです。

<ライバル大手の参入対策は?>

私たち中小企業がすべきなのは、見込み客からのヒアリングです。見込み客へアポイントをとり、面談をして何が必要なのか耳を傾けることです。そこで、私たちがどんな問題を解決できるのか?それをしっかりとリサーチすることです。
次にその解決方法が、ニッチであるかどうかを検証します。ニッチをわかりやすく言えば、大手や自分たちより強いライバルが簡単に参入してくる確率が低い分野のことです。ニッチな市場が見つかれば、長期的にビジネスを成功させることができます。一方で、それが見つからないまま、ライバルがまだいないからという理由で飛び込めば、後から足元をすくわれることになります。そうならないためにも、しっかりとお客さんの声に耳を傾け、ニッチ市場を見つけていきましょう。
視察ツアーへ行っても、こういった情報を得ることはできません。ですから、現地への視察は多少コストがかかっても、コンサルティング会社と一緒に単独で行うこ
とを強くおすすめします。ちなみに当社は、あなたの会社の強みを活かしたニッチ市場を見つけるためのサポートを提供しています。

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