成長するベトナムで事業を成功させるには?

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2018年7 月の最終週のベトナム出張のレポートをまとめました。
この内容は会員向けのニュースレターで配信したものです。

今回は、ハノイ、ダナン、ホーチミンと、南下しつつベトナムの主要3 都市を回ってきました。
ベトナムへの渡航は30回近くあると思ますが、ダナンは初の訪問です。

ダナンはここ数年、日本からの直行便ができて、観光都市として一気に有名になり、新しいホテルがどんどん建設されています。

私が宿泊したホテルの隣でも新しいホテルが建設中で、夜通しで作業をしていました。そんな急ピッチで成長するダナンですが、
実は日系企業の工場関係者に話を聞くと、必要なものが思ったように手に入らず、苦労されているとのことです。

成長スピードにインフラや設備工事、メンテナンス、資材調達などが追い付いていないのが現状のようです。
しかしそれはつまり、私たちにとってはビジネスチャンスでもあります。
このあたりのニーズを探っていけば、参入の余地がありそうです。

日本との違いに注目

今回あらためて実感したことがあります。やはり、ベトナムはまだまだ成長期の国です。
すっかり成熟した日本のマーケットとは求められているニーズが違います。

例えば、日本では、既存の設備の効率をどう上げるか?というニーズが多いですが、ベトナムの経営者は、新規設備の案件を追いかけることしか考えていません。

ベトナムのローカル企業とビジネスをするのであれば、このあたりの違いによく耳を傾け、彼らが何を必要としているのか知ることが重要です。

ベトナムの特徴として、多くの社長は創業者ということが挙げられます。
2000 年頃から経済が一気に成長しているので、その頃の成功体験が彼らの考え方の基準になっていると考えることもできます。
そして、ベトナムのビジネスは、トップ同士でビジネスを進める傾向が強いです。

そのため彼らと面談するときに、意思決定がその場でできない担当者が話をしてもイライラされてしまう可能性があります。
彼ら創業者たちは、その場で話を決めていき、どんどん話を進めていきたいのです。

リスペクトされる日本企業

ベトナム人経営者の多くは、日本のことが好きです。
今回、ホーチミンで面談したある会社の会長は、日本の話をしただけでニコニコするくらいの日本びいきでした。
かつてフランスの植民地となり、社会主義政策や経済制裁のため、貧乏な子供時代を経験した多くのベトナム人は、戦後から驚異的な発展を遂げ経済大国となった同じアジア人の日本に強い憧れを抱いています。

そのため、日本の企業がベトナム人経営者に会いたいというだけで、彼らは歓迎してくれます。
しかし、そこで勘違いしてしまうとビジネスにはなりません。

現地のニーズをよくリサーチする

はじめから日系企業だけを対象にするなら別ですが、ローカル企業を狙うのであれば、現地のニーズをよくリサーチすることが必須です。
よく日本企業がやってしまいがちな間違いがあります。

それは、自分たちが日本で販売している商品をそのまま売ろうとすることです。
日本で成功していることをそのまま持ち込み、それでも買ってもらえることもあるかもしれませんが、BtoB において、それは簡単ではありません。

例えば、化粧品や、家庭で使うBtoC の場合、お客さんがその商品を好きになってくれれば買ってくれます。しかし、BtoB においては、費用対効果が最終的な決定要
素になります。ですから、現地のニーズ、自社の商品がオーバースペックになっていないか?ローカルの競合は、どんなレベルのものをどれくらいの価格で販売しているのか?そして、国外展開で先行する欧米のトップ企業はどんなローカライズド(現地に適応させること)をしているのか?

このあたりをしっかりと研究することが大切です。日本の成功体験とは切り離して考えることが大切なのです。

ローカライズドしなければ敗者になる

以前、日系の大手キッチンシステムメーカーA 社のベトナム担当者から詳しくお話を伺う機会がありました。私の知人であるベトナム人経営者、B さんがこのメーカーの総代理店をしていたので、両サイドから意見を聞くことができました。

A 社の商品はすべて日本製です。国内で生産し、日本のクオリティでお届けする、ということを売りにしていました。

一方で、B さんは多くの不満を抱えていました。まず、製品が、輸送中に品質上の問題が起きていました。ベトナムまでの海上輸送の間、コンテナの中はかなり暑くな
ります。国内の輸送では経験のない、高温多湿の環境によって、一部の部材が変形してしまったのです。それも、変形は納品後しばらくしてから起きていました。

さらに、A 社の対応が遅く、クレームが大きくなり、B さんの会社はディベロッパーから強く責任追及をされていました。
また、デザインも日本のままだったので、ベトナム人の趣向とズレがありました。
キッチンは家全体のインテリアとマッチングしなければいけません。
富裕層のお客さんは、機能性よりも、見た目の豪華さを見せたいという要望もあり、日本国内で、中間層のお客さんに対し、機能美を売りにしているA 社の商品は、ベトナムの富裕層のニーズに合っていませんでした。

一方で、米国系資本の競合メーカーC 社は違っていました。ローカルニーズをよく研究し、中間層が背伸びをすれば届く価格帯から商品を準備しました。トップクオリティの商品は本国から輸入し、中間層をターゲットとした商品は、はじめから現地生産しています。

ほぼ同じ時期に参入したA 社とC 社ですが、市場での競争では、C 社の圧倒的な勝利に終わりました。ローカライズすることを戦略に取り入れなかったことがA社の敗因です。その結果、私の知人のB さんは、A 社との契約を解除し、別のメーカーと販売店契約をし直しました。

ローカライズドは工業系でも必須

もう一つ、私があるメーカーにいたときの話です。私は海外の販売店を集めてトレーニングを行っていました。そこで、自社の商品について販売店から話を聞くと、様々な意見が出てきました。
お客さんと接している販売店の、リアルな意見です。適切な価格帯、求められるスペック、使い勝手、リードタイム、トラブル時の対応力など。
その中で最も多かった意見が、もっと売れる価格帯と、スペックダウンした商品を出してほしいということでした。

日本国内では、研究開発や、品質保証などのラボの需要が中心でした。一方で、海外では、製造現場で使う、もっと簡単に使えて価格を抑えた商品もラインナップに入れてほしいという要望がかなりあったのです。

しかし、当時、それらの貴重な意見が商品開発に活かされることはありませんでした。今では、この価格帯を中国のメーカーにすっかり取られてしまいました。
今から巻き返そうとしても、時すでに遅しです。
一度奪われたシェアを取り返すことはできないでしょう。

この話の反省すべきポイントは明らかです。お客さんからの貴重なフィードバックをしっかり受け止め、現地のニーズに合った商品づくりに活かしていれば、今頃、海外生産したものを誰よりも早くマーケットに投入できたかもしれません。

よく、この話をすると、「うちの設備では対応しきれない」「これ以上設備投資できる状態じゃない」という回答が返ってきます。

私はこれをできない理由を並べている、ただの言い訳だと思っています。
世界には自分たちに設備が無くてもメーカーとして商品を出している会社はたくさんあります。
例えば、有名な話ですが、iPhone はアップル社で作っていません。商品の箱には、カリフォルニアでデザインされ中国で組み立て、と書いてあります。

工業製品でもファブレスのメーカーがいます。日本のキーエンスという会社は、自社で工場を持っていないにも関わらず、一部上場メーカーです。海外に出れば日本では聞いたこともないようなニーズがあります。

それらに誰よりも早く応えることで成功できます。日本には優秀な中小企業がたくさんあります。それらの多くは、大手企業の協力会社として存在しています。つまり、技術も品質も世界クラスなのです。

さらに、日本企業の最大の強みは、連携力と協調性、納期と約束を守るというところにあります。1 社ではできないことでも、中小企業が連携すればできることがたくさんあります。過去のニュースレターでもお伝えしましたが、パワーチームを組むことも考えてみましょう。予期していなかったニーズが出てきたらチャンス!

ベトナムのような成長中のマーケットと日本では求められているものが違います。成熟しきった日本では考えもしなかったニーズが出てくることがあります。

例えば、国内では既存の設備を改善する仕事が多くても、ベトナムでは、新規の設備の仕事が多くあります。国内では、長期的な視点で設備投資を考えることが常識であっても、ベトナムでは、より安く早く工場を立ち上げることが重要視されるかもしれません。そうなれば、自分たちのノウハウや商品で、新規工場立ち上げ時に何を解決したらお客さんのためになるのか?よく検討してみることです。

以前、メーカーに勤務していた頃、こんなことがありました。そのメーカーの商品は、かつて警察の鑑識(犯罪捜査をするラボ)に大量に販売をしていました。しかしそれも10 年以上前の話で、売れないと思われていました。ところが、イタリアで1 台売れると、あっという間にヨーロッパ中で売れ始めました。

これは、イタリアの販売店が、鑑識のラボの関係者から的確にニーズをヒアリングし、その情報を信じて一緒にアプローチした成果です。もし、当時の私たちが「鑑識には売れない」と、決めつけていたら、成果を出すことができなかったことでしょう。その結果、東南アジアや、中東にも同じ使い方で導入されていきました。さらに、その用途をわかりやすくまとめたところ、国内でも何件か受注することに成功しました。

海外展開が上手くいっている中小企業、今回お話した私の成功事例にも共通していることがあります。それは、失敗をたくさんしているということです。こうすればうまくいくのではないか?そう思って、チャレンジし、失敗する。それを繰り返してきました。何度も失敗を繰り返してきました。当然、失敗にも経費が使われるわけですから何度も失敗はできません。

上手くいくと思ったら小さく試せ

何度もチャレンジするには、小さい規模から試してみるということが重要です。例えば、海外の販売店から、はじめから全国展開していこう!という提案が来たとします。そこで、一緒に全国展開を目指したら、もう失敗はできません。

そんな時は、全国展開までのロードマップを示して、小さなテストを何度か繰り返すことを初期段階で行うよう提案することです。小規模で行い、素早くマーケットから反応を得ます。そうすれば、アイデアが良かったどうか、すぐにわかります。

また、改善点が見つかればすぐに修正できます。このように、小規模で行うことで、何度もトライ&エラーを繰り返しながら、改善をしていくことができるのです。国内での常識や成功体験は忘れろ!

中小企業にありがちなのが、国内で活躍してきたベテランの常識や成功体験に振り回されることです。日本の常識と海外は別物です。せっかく、時間とお金をかけてリサーチしてきた現地からのフィードバックを、国内の常識で判断してしまうことで、結果的に機会損失をしているかもしれません。

中小企業の海外事業部は、一般的に少人数です。さらに、外国語ができる人材を外部から持ってくることが多いため、どうしても実務経験やその会社での営業経験が短い傾向があります。すると、どうしても国内のベテランに反論されたとき、なかなか意見や企画が通せません。

そのような機会損失をしないために、経営者が心掛けるべきことが「質問力」です。海外事業部からでたリサーチ結果と提案に対して、それを掘り下げる質問をすることです。彼らの情報にビジネスの機会が眠っているかもしれません。それを的確な質問で情報の精度を確かめ、足りない情報があれば、リストアップさせて、再度調べさるようにしてみてください。

また、国内のベテラン組にも、同じように心掛けるよう、経営者がしっかりと教育することです。本人たちが良かれと思って言っていることが、海外事業部を委縮させてしまうこともあります。「そんなことで委縮するな!」と言いたいところですが、様々なクライアントを見てきた経験から、このような対応は必要であると考えます。

最後に

どの国へ進出する場合でも同じですが、次の4つが基本です。

・お客さんの課題をみつける
・小さく試して素早くフィードバックを得る
・改善をする
・もう1 度やってみる

つまり営業でもPDCA サイクルを回すということです。

ベトナム・その他海外進出をお考えの方へ

今回のニュースレターを読んで、ベトナムでのビジネ
スを検討されており、当社が社へ相談をしたいという方
はぜひご連絡ください。

お問い合わせ先:NPB トレーディング株式会社
メール:info@npb-trading.com
電話:045-287-0677

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