これから海外展開したい中小企業が輸出ビジネスをはじめる方法

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少子高齢化や人口減少が進行し、市場規模が縮小していく国内市場。人口増加やグローバル化が進み、市場規模が拡大していく海外市場。このまま日本国内のマーケットだけで勝負をしていて将来的に大丈夫なのだろうか? そんな疑問や漠然とした不安を抱えている経営者様も多くいらっしゃるかと思います。そろそろ思い切って海外マーケットへの進出を考えた始めた時に、いきなり立ちはだかる言葉や貿易取引の壁。海外との取引経験がない企業様にとっては、貿易というものが非常に高いハードルのように感じられるかも知れません。
ただ、自社の商品やサービスを通じて、世界中の人々を笑顔にしたり、生活を豊かにすることができたら、そんな素晴らしいことは他にないのではないでしょうか。貿易は浪漫であり、未知なる世界への挑戦でもあります。
優れた日本の技術力、高品質な製品、おもてなしの精神に満ちたサービスを少しでも多くの世界中の人々に提供したい…でも、どうやって輸出するの? そんな企業様の疑問やお悩みを解決すべく、輸出ビジネスビギナーでも簡単に海外取引の流れが理解できるよう、ステップ・バイ・ステップで輸出実務について触れて行きたいと思います。

1.海外市場への進出を考え始めたら

取引相手が海外に存在するという点を除けば、基本的には売り手と買い手の関係で成立し、国内における一般的な商取引と大きな違いはありません。まず、自社のどの商品やサービスを誰に売りたいのか? いわゆるマーケティングというやつですね。まず、ここを明確にした上で取引先を探します。

2.輸出可能な商品やサービスなのか調査する

取引先を見つけたからと言って、闇雲に何でもかんでも輸出できるわけではありません。例えば、輸出入禁制品として関税法で禁止されているもの
・大麻や覚せい剤等の薬物
・児童ポルノ
・他者の知的財産権を侵害する物品

関税法以外の法令(他法令)の規定により事前に許可や承認を受ける必要があるもの
・シントン条約該当物品
・重要文化財
・動植物
・食品(ハムやソーセージ含む)
・医薬品や化粧品
・中古車
等が例としてあります。売買取引が成立して、実際に輸出となった際に税関で差止められたり、相手国の税関で差押えられる等のトラブルを回避するためにも、事前にしっかりと調査し準備することが必要です。

3.取引条件の交渉

取引先との売買条件を交渉し、最終的に契約書を作成します。
取引条件の一例として、
・商品
・数量
・価格
・仕様
・納期
・商品の引渡方法
・取引条件(インコタームズに基づく)
・決済方法

など商取引に関する全ての条件を細かく取決め、詳細を書面にします。
ここで重要なポイントは、取引相手は海外ですので日本の商習慣や一般論は一切通用しないことを肝に銘じて下さい。また、輸送中の損害に対するリスク負担、後々発生するであろうクレームの対応方法、費用負担等、考えうるリスクは全て書面にして責任分担を明確にした上で、契約を締結します。
また、あらゆるリスクを軽減するためにも、必ず契約締結前に取引相手の信用調査をしっかりと行うことが大切です。

4.いざ、出荷(輸出)

貨物の準備が整ったら、
・輸出通関の書類(インボイス&パッキングリスト)を作成し、通関業者に提出
・取引条件に従って輸送手段(船便か航空便か)を確保
・輸出通関のため保税倉庫に貨物を搬入

通常、輸送手段(スペース)の確保、貨物を搬入する保税倉庫の場所指定、輸出通関等の一連の手配は、乙仲(「おつなか」と読みます)と呼ばれる通関業者に依頼します。海上保険も乙仲に依頼すれば付保して貰えます。
輸出手続きをスムーズに進めるためには、協力的な乙仲(昨今では「フォワーダー」とも呼ばれるようですが…)を事前に選定しておくことをお勧めします。

5.貨物が出港したら

輸出許可が下り、無事に貨物が出港したら、船会社または混載会社より船荷証券(B/L)が発行されます。航空便の場合は、航空会社または混載会社により航空貨物運送状(AWB=エアウェイビル)が発行されます。
B/LまたはAWBを受け取ったら、輸入通関用の書類としてインボイスとパッキングリストと共にB/LまたはAWBのコピーを輸入者(買い手)に送ります。 ※ ここではコピーです。B/L Original(原本)の取扱いに関しては大変重要なので追々説明します。
必要に応じて(相手から要求された場合)、原産地証明書を送ります。輸入者はこれらの書類で輸入通関の手続きを行うことができます。

6.代金回収

無事に貨物が出港し、輸入通関書類も手配完了。やれやれ一安心…ではありません。
海外取引の最大の不安要素でもある代金回収をこれから行います。
取引条件交渉時に取決めた決済方法により異なりますが、100%前払い条件ではない限りB/L原本入手後から決済の手続きが始まります。無事に商品代金の入金を確認して、ようやく一連の流れが完了となります。

まとめ

以上が、簡単な輸出ビジネスの流れです。
実際の輸出実務では、商品(モノ)、お金(カネ)、書類が複雑に絡み合っていて少々複雑ですが、ポイントさえ押さえておけば後は慣れです。リスクを最小限にするためにも決済方法や必ず事前に詰めておくべき取引条件書類の取扱い方など知っておくべきポイントが幾つかあります。筆者の長年の経験や実践に基づいた観点から、ステップごとに追々更に詳しく説明していきたいと思います。

次回は海外の取引先を見つけるときに活用したい公的機関について解説します。

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