技術に自信のある中小企業が営業を増やさずに売上をアップするには?

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私が、ある中小企業のメーカーに勤務していた2008年の頃の話です。リーマンショックがあった年ですが、その年は過去最高の売上を達成し、社内の雰囲気もとてもよかったことを覚えています。特に自動車産業が好調で、東海地区の営業所は人が足らず、東京本社からサポートを出すほどでした。また、大阪の営業所もパナソニック、シャープなどの大手メーカーがフラットパネルディスプレイの業界に投資しており、協力会社も設備投資をしていた関係で売上が好調でした。

売上を増やすために営業を増員する落とし穴

好調な売上のため、社員にボーナスを年3 回出すほど会社は儲かっていました。社員旅行はなんと3 年連続ハワイでした。そこで会社は、営業を増やすという決断をします。しかもリーマンショックの後です。しかし2008 年3 月までは国内のビジネスにあまり大きなインパクトはありませんでした。ところが4 月になると一変します。売上は一気に落ちていきました。当時、ヨーロッパを担当していた私の見込み案件も、上位20 件ほどが“凍結” になりました。ヨーロッパ企業は決算が12 月、日本よりも先に影響が出ていました。会議に出るのもつらい、販売店からは暗い話ばかり・・・。ヨーロッパオフィスの空気もどんより・・・。

営業が増えても案件は減るばかり

国内営業部にまとまった人数の営業を採用しましたが、売上につながる仕事をしてもらうには時間がかかりました。最低でも6 か月は戦力になりません。教育をしていかなければならないのです。しかし、リーマンショックの直後です。引き合いがない・・・。仕方なく、買う予定がなくても話を聞いてくれる大学の教授のところへ営業に行って、仕事をしているフリをする営業が出てくるほどでした。そんな先輩から教育を受けて成長するわけがありません。中小企業でよくある話ですが、教育の仕組みがしっ
かりしていません。教育を担当する者によってやり方が
違います。つまり成果は担当者次第ということです。

問題の本質は教育ではない

実は、今回私が伝えたいことは教育の問題ではありません。もちろん教育はとても大切です。会社として力を入れていくべきことに反対する人はほとんどいないでしょう。
しかし、当時の会社には、それ以上に手を付けるべきことがありました。

それは、「引き合いを作り出す仕組み」です。

問題の本質は教育ではなく、引き合いを作り出す仕組みがなかったことにあります。会社に来る引き合いのほとんどは、商社経由でした。取引先商社です。そして競合が先行している案件を見つけてきてもらい、営業のプレゼン能力と、特注対応できる中小企業独自の強みを活かして勝つというのがひとつのパターンでした。これは、案件がたくさんあるときには機能していました。しかし、リーマンショックが来ると一気にダメになりました。

目立たない営業マンが安定した成果をだしていた

会社全体の売上が落ち込む中、東京本社に所属するN 君という男性だけは、安定した
成績を出し続けていました。彼は私から見ても不器用で、人づきあいが苦手。社内の飲み会にもほとんど顔をださないし、商社マンと上手く付き合いができず、担当を変えられてしまうような一見ダメな営業マンでした。

しかし、なぜ彼が不景気になっても成果を出し続けられたのか?それは、お客さんへ直販していたということがあります。商社を上手に活用できない彼は、他の営業マンと違う動きをしていました。自分で見込み客を見つけ、そして継続的に、マメに情報提供をしていました。
それから大学や研究所にもマメに足を運び、自分の力で案件をつくっていました。つまり、地道に直販を頑張っていたのです。

商社に頼りすぎるのは自立を放棄しているのと同じ

一方で、商社を上手く活用し、商社の飲み会にも参加してトップセールスだったT 君はリーマンショックの影響をモロに受け、売上が一気に落ち込んでいきました。景気が良く、見込み客の経営状態も良かった時期であれば、競合とぶつかったときの彼のプレゼンはとても効果的だったのだと思います。彼がいかにして競合に勝ったのかを皆に話すのは営業会議の恒例で、私もその自慢話をいつも聞かされていました。しかし、T 君は地道に引
き合いを作り出すということに対して全く努力をしていませんでした。引き合いは商社からの紹介頼りで、競合他社が先行している案件を持ってきてくれば自分は勝てる。そう考えていて、皆にもそこだけにフォーカスすれば良い、と伝えていたのです。

アリとキリギリスの話を忘れるな

向かうところ敵なしだったT 君の営業成績の落ち込みを身近で見ていた私は、アリとキリギリスの話を思い出しました。N 君は不器用でしたが、情報収集に熱心で
した。「海外での成功事例を教えてほしい」と私に話を聞きに来たり、特殊な案件は私に同行を依頼してきたりもしました。もちろん私も快く引き受け、全力で海外での事例を客先で話し、N 君をサポートしました。お客さんが必要としている情報を集め、ゼロから開拓し、フォローを続けてきました。そんなN 君は、不景気が来ても落ち込みがほとんどありませんでした。

一方で、そういった努力を一切してこなかったT 君は、売り上げが全盛期の半分に落ち込みました。まさにN 君はアリで、T 君はキリギリスだったのです。彼らが抱えていて案件を思い返すと、N 君は2~ 3 年先の成約になるかもしれない長期案件にもコツコツと取り組んできました。一方のT 君はすぐに決まる案件だけを追いかけてきました。

農耕型ビジネスと狩猟型ビジネス

この2 人働き方は、まさにN 君は農耕型、T 君は狩猟型であると言えます。農耕型は安定したビジネス、狩猟型は瞬発力がありますが、不景気時には安定しなくなります。あなたはどちらのビジネスを選びますか?おそらくほとんどの方はN 君の方法を選ぶのではないでしょうか?では、N 君のように農耕型のビジネスをするために、あなたの会社でどのような取り組みが必要なのか解説いたします。

見込み客を3つに分ける
まず見込み客を3 つに分けますA がすぐにフォローアップが必要。B がすぐに購入の可能性がないが、2~3年以内に購入の可能性あり。C 興味はあっても購入できる見込みがない、またはそもそも購入の見込みがない。このようにシンプルに3つに分けていきます。

そして、それぞれ攻め方の方針は次のとおりである

A:営業に積極的にフォローアップさせる。
B:会社としては継続的に情報提供、営業は定期訪問をする
C:フォローアップをしない

A に対してはすぐに対応をしていきます。ほどんとの会社はこれが当たり前にできていると思います。問題は、T 君のような営業に任せていると、すぐに売れそうなA
タイプのお客さんしかフォローアップしません。BtoBのビジネスにおいて、商社が“拾って” きてくれる案件の多くは他社が先行している案件である。拾ってくる案
件とは、こちらが宣伝広告や、継続的にフォローアップしてきた案件ではない場合のことです。A の案件は、景気が拡大すれば一気に数が増えます。一方、景気が後退
すると案件は少なくなり、ライバルとの競争が激しくなります。

B に対しては、営業に頼らず会社の仕組みでフォローアップを考える必要があります。例えば、営業経験のある人は、とにかくお客のところへ足を運べ、と、言われ
たことがあるかもしれません。私の最初の仕事はドイツ車の販売でした。当時は店長から、とにかくお金持っているお客さんに気に入られるために何度も顔をだすよ
うに言われました。今どきそんなことをして効果があるのだろうか?実際のところ、それには心理学的な根拠があります。あなたはザイオンス効果という心理学用語を知っていますか?

ザイオンス効果とは?

ザイオンス効果とは、同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになる効果のことです。1968 年に、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが広めました。「ザイアンス」と表記されることもあるため、「ザイアンス効果」とも言います。日本語では「単純接触効果」と呼ばれています。

情報発信する仕組みを持つこと

不景気に強い会社を作るためには、見込み客への継続的なフォローアップが必要です。そこで、ザイオンス効果を活用します。では効果を得るためには何をしたら良いのでしょうか?例えば、見込み客を訪問する。また、商店街に店を構えている店主が毎朝、ボランティアで掃除をしながら通勤途中の見込み客にあいさつをする。これらが単純接触ですが、それだけではありません。メルマガやニュースレターなど、直接会わずとも効果は得ら
れます。BtoB では以下のような方法があります。

・メルマガ
・情報提供の電話(売込みではない)
・ニュースレターの送付
・セミナーの開催
・営業の訪問 など

どんな情報を配信したらよいのか?

例えば、情報提供と称する売込みの電話が頻繁にかかってきたらどうでしょう?きっとイライラするのではないでしょうか?私だったら次第に電話に出なくなると思います。なぜなら、時間の無駄だからです。一方、役に立つ情報であれば、話を聞きたくなるはずです。例えば、私は別の事業でフランスのメーカーと取引をしています。そこで実践しているのは、ヨーロッパの同業他社の動向の情報提供です。そういう連絡であれば、相手
は私を、「役に立つ情報提供をしてくれる人」として迎えてくれるようになります。つまり情報発信は、見込み客に役に立つ情報を発信するべきなのです。

情報提供の効果はどれくらいで出るのか?

単純接触の方法とその効果について説明してきましたが、実際にどれくらの時間で効果が出てくるかについてお話しします。私の事例ですが、当社では週3 回メルマガを配信しています。1 通目でいきなり仕事の依頼が来たことを除けば、半年くらい経った頃から、メルマガの内容について質問が来たり、仕事の依頼が来たりするようになりました。私がサポートしたある会社は、見込み客をフォローアップするためにメルマガとセミナーを開催しました。具体的な売上につながりはじめたのは1年くらいたってからです。つまり、地道に続けてようやく成果がでるというものなのです。

そんなに時間かかるの?と思った方は、先に話したリーマンショック後のN 君とT 君の売上の推移を思い出してください。どちらが経営として良いのか?決めるのはあなた次第ですが、ビジネスを長期的に安定させたければ、N 君のモデルを選ぶべきです。

営業の人員を増やす前に情報発信をすべき

ここ2、3 年、中小企業を悩ませているのが採用にかかるコストと人材の質です。特に、2020 年の東京オリンピックに向けて建設分野の求人に対する需要が急増しています。さらに株価の上昇により、製造業についても同様です。私が所属する中小企業家同友会の会員企業で
は、求人をしても募集がないので、外国人研修生の雇用を検討しているという話が昨年の前半から増えています。このような時期に求人を出しても採用コストが高くつくだけで、優秀な人材は期待できません。だからこそ、今は情報発信する体制を整え、農耕型のビジネスに転換するために投資をすべき時なのです。安定的に引き合いを創りだせるようになればこんなメリットがあります。

【情報発信するメリット】
・営業のスキルに頼らなくても売りやすくなる
・すぐに買わないお客さんを会社の仕組みとしてフォローアップできる
・競合との価格競争から脱却できる
・利益率がアップする
・属人化したノウハウが社内で管理できるようになる
・社員に自分たちの強みが浸透する
・自社のファンを増える

情報発信することで会社が強くなる

技術系の社員にありがちなのが自分でノウハウを抱え込むことです。この習性は国籍問わず共通する課題です。当社が取引しているフランス企業にもこのタイプの優秀なエンジニアがいます。お客さんから質問されると嬉しそうに回答するのですが、社内で共有するという気持ちが全くありません。あなたの会社にもきっとそういう人
材がいると思います。

さらに問題なのは、多くの中小企業は、ノウハウが属人化する傾向が強く、また社内でそれを共有する仕組みがありません。一方、情報発信を始めると、この問題が解決できます。お客さんに役立つ情報発信をする仕組みを持つことで、社内にノウハウが貯まっていきます。

例えば、お客さんからよくある問い合わせに対して技術的な回答をしたとします。それをレポートにまとめれば立派な情報発信です。自社ブログなどを立ち上げ、そこでそれらのノウハウを発信しても良いでしょう。そうすれば、情報はどんどん共有化されていきます。新たに採用した人材への情報共有も容易になります。私がメーカーに勤務していたころは、情報を集めることに苦労しました。先輩の顔色を見ながら質問したものの、言って
いることが違ったり、得意分野がバラバラだったりしました。また、情報を共有するという意識がほとんどありませんでした。

一方、海外営業部は同じ道を歩むことはありませんでした。自分で直接営業ができる範囲が限られていたので、販売店の担当者に情報発信をすることが私の重要な役目だったからです。今思えば、情報発信していたから自分ノウハウが蓄積し、それが売上につな
がっていったことは間違いありません。

でもどうやって導入したらよいのか?

当社では「営業を増やさず売上と利益をアップする」この仕組みの導入についてサポートを行っております。まずは無料相談にお申込みください。

お問合せ先:NPB トレーディング株式会社
メール:info@npb-trading.com
電話:045-287-0677 FAX:045-330-4311

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