東南アジアビジネスで成功したいなら国内規格の商品を売ってはならない理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
58628a7a572aae39cf62de551768eb7d_s

東南アジアにビジネスを展開しはじめたある2つの企業の話です。この2つの企業は家庭向けのシステムキッチンを製造販売しています。彼らはほぼ同じ時期に東南アジアのある国へ進出しました。

1つ目の会社を仮にA社と呼びます。A社はすべて日本製です。Made in Japanの品質かつ日本の機能的に優れたデザインを売りにしています。ショールームも日本と全く同じデザインです。A社の価格は、国内では業界の平均くらいです。しかし、日本からすべて輸出するため、国内価格よりも2割程度高めです。ターゲットは富裕層です。

2つ目の会社を仮にB社と呼びます。B社は現地に工場をつくりました。主要部品だけ日本で調達し、できる限り現地生産をすることにしました。デザインは現地のニーズに合わせたものにしました。日本製に比べると品質は劣りますが、現地生産することにより、その国の中間層でも手が届く価格帯です。

この記事を書いている時点では、どちらが成功しているか発言するにはまだ十分な時間が経過していません。では、何が言いたいかというと、ターゲットです。

東南アジアビジネスで成功したいなら国内規格の商品を売ってはならない理由

この2つの企業の方針の違いは、「国内生産」vs「現地生産」です。これをターゲットとしてみると、「富裕層」vs「中間層」です。

東南アジアを富裕層、中間層、貧困層に分けると、下の図のように圧倒的に多いのが貧困層です。そして富裕層はピラミットの頂点になります。

図1
しかし、これが経済成長と共に貧困層が中間層へ上がってくることが予想されます。下の図をイメージのように変化してきます。つまり、東南アジアで最もボリュームが大きくなるは、中間層です。つまり、B社は長期的ビジョンとして、ここを狙っているのです。

図4

この2つの企業がどのような結果になるのか?それを現時点で判断できません。しかし、確実に言えるのはB社のほうが成長力の大きい層をターゲットとしています。そして、A社が全く対策のできていない、現地のニーズに合わせたデザインに取り組んでいるということです。

東南アジアの富裕層を考えてみましょう。富裕層の多くは海外への留学経験や、旅行経験があります。彼らの家に訪問すると、趣向がよくわかります。家の内装はヨーロッパ調です。家具やキッチン用品もヨーロッパ製のものを好んで使っています。富裕層が所有する車はドイツ車が多いです。つまり、彼らのデザイン趣向はヨーロッパ的なものを好んでいるのです。日本の中間層をターゲットとする、システムキッチンはヨーロッパ的でしょうか?私はそう思いません。

もうひとつの重要な要素として、富裕層の家には必ずメイドがいます。つまり、日常生活で、料理を担当するのはメイドの役割なのです。メイドのために立派なキッチンを買う人はいません。ですから、富裕層がキッチンに求めるのは機能性よりも、見た目のデザインを重視します。客人に自慢できるキッチンがほしいです。

東南アジアの多くの人がMade in Japanにあこがれを持っているのは事実です。日本製に対してどのようなイメージを持っているか聞けば、「高品質」「信頼できる」「いつかは日本製がほしい」このような返事が返ってきます。しかし、ターゲットする人々が何を求めているのか、それをしっかりリサーチしてから進出をしないと販売で苦労する事になります。

私は、長期的にはB社が成功すると予想しています。理由は2つあります。
1つ目は、中間層がちょっと頑張れば手が届く価格帯に抑えたことです。
2つ目は、現地のデザイン趣向を取り入れたことです。

アジアでMade in Japanがブランド化しているのは事実です。しかし、そこに甘えてしっかりとリサーチをしないと販売で苦労する事になります。現地でリサーチをしっかり実施して、長期的な展望を持って計画を立てれば、A社のような手段にはならないはずです。事実、私が現地の富裕層の何名かにヒアリングをしただけでミスマッチが判明しました。たったこれだけで分かることが、なぜできていないのか?問題の根源は進出を判断した理由にあるとしか考えらえません。つまり経営者の判断基準が間違っていたということです。

一方で、日本からそのままアジアへ持ち込んで売れている商品もあることは事実です。しかし、あなたの商品が同じように売れるかどうかは分かりません。少し遠回りに感じる人がいるかもしれませんが、しっかり事前調査をしましょう。

まとめ

Made in Japanというブランドをあてにするのではなく、現地のニーズをしっかり調査してから進出しましょう。調査の結果を踏まえて、国内と同じ規格で持っていくのか、デザインを現地に合せるのか検討しましょう。そしてターゲットに対して適切な価格になっているのか?適切な価格にするためには何をしたらよいのか?長期な展望を持って戦略を立てましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*