海外向けの請求書の作成でおさえておきたい21のポイント

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海外取引先との度重なる交渉の末、提示した最終見積書で折り合いがついたら、いよいよ本格的な取引スタートです。まずは売り主(輸出者)が請求書を発行し、信用状の開設またはデポジット(頭金)の手配を買い主(輸入者)に早急に依頼します。一般的には、Invoice(インボイス)=「請求書」や「請求明細書」と解釈されることが多いのですが、貿易実務においては、このInvoiceには大きく分けて2種類あるのです。

Commercial InvocieとProforma Invoiceの違いは?

InvoiceにはCommercial InvoiceとProformaの2種類があります。
違いは次の通りです。

① Commercial Invoice(コマーシャルインボイス

Commercial Invoiceは、輸出者が貨物を出荷する際に作成する通関用の書類の一つで、輸出入者名や船名、出港日、目的地、商品名、商品数量、金額等が記載されています。貿易実務で一般的にインボイスと呼ばれているのはCommercial Invoiceのことです。
Commercial Invoiceは「請求書」と言うより「送り状」や「納品書」の意味合いが強く、実際に税関では、輸出入通関時にはCommercial Invoiceに基づいて貨物の中身を把握し、税関検査の要否や輸出入の許可、関税・消費税等の計算を行います。

② Proforma Invoice(プロフォーマインボイス)

Proforma Invoiceはインボイス(Commercial Invoice)に先立って送る仮のインボイスのことですが、主に「出荷前の確認書」及び代金送金用の「請求書」として使用されています。買い主が信用状(L/C)の開設やT/T送金を銀行に依頼する際にはProforma Invoiceが必要となります。また、Proforma Invoiceは注文書の代わりに使われることもあります。基本的には、見積書で折り合いがついたら買い主より正式に発注書を発行してもらうか、Proforma Invoiceに「Accepted by Buyer(買い主)」と記載し、買い主がサインをすれば発注書と同じ効力を有することになります。
また、買い主側が輸入に際して事前の輸入許可を必要とする場合は、許可申請にProforma Invoiceの提出が要求されます。
色々と汎用性が高いProforma Invoiceですが、残念ながら貨物の輸出入通関には使用できませんのでご注意下さい。

請求書(Proforma Invoice)の書き方

Commercial InvoiceとProforma Invoiceの違いが理解できたところで、実際に請求書(Proforma Invoice = P/I)に記載する内容を見て行きましょう。P/Iの書式は会社により異なり、特に決まりはありません。記載する内容は、見積書(または買い主からの注文書)を再確認するものとなりますが、買い主はP/Iの情報を基に信用状を開設もしくはT/T送金を依頼するため、書類は慎重に作成しましょう。

サンプルはこちらからご覧いただけます。
↓↓↓
proforma sample

① 会社のロゴ&会社情報
海外取引で使用する全ての書類には必ず自社のロゴが入ったレターヘッドを使用しましょう。会社のロゴ付近に会社情報(社名、住所、連絡先等)が記載されているのが一般的です。

② Bill To: 請求書送付先
支払いを請求する相手先(輸入者)の情報を記載します。担当者の名前が分かっている場合は、Attn: Mr. 〇〇〇 とします。

③ Ship To: 貨物の送付先
請求書送付先と貨物を受取る相手や場所が異なる場合は、貨物の送付先を記載します。同じ場合は、輸入者の情報を記載します。

④ P/O No:発注書番号
買い主が発行する発注書(=P/O: Purchase Order)には発注書番号が付いています。どの発注書に対する請求書なのか分かるように、P/O No.を入れて管理すると便利です。

⑤ P/I No: プロフォーマインボイス番号
売り主が発行するP/Iに番号を付けます。
買い主に、信用状開設依頼書や外国送金依頼書の備考欄にP/I No.を記入してもらうと、どの請求分に対する支払いなのか管理しやすくなります。

⑥ Item No.:品番
買い主より引合いがあった商品と相違ないよう、必ず品番を記載しましょう。
商品詳細よりも品番で管理する方が確実です。

⑦ Description:商品詳細
商品名称を含め、可能な限り細かく内容を記載します。

⑧ Q’ty(Quantity):発注数量

⑨ 単価/合計金額/通貨
価格を提示する際は、必ず通貨を明記します。

⑩ Freight(運賃)/Insurance(海上保険)
貿易取引条件がEx-Works(工場渡し条件)であっても、実際の貿易実務では輸入者の依頼により輸出者が代行して日本国内の輸送・輸出通関、付保を手配することがあります。この場合、手配に要した費用(立替分)は別途P/Iに記載して輸入者に請求します。

⑪ Trade Terms: 貿易取引条件
貿易取引条件(Ex-Works、 FOB、CFR、CIF等)は、提示した価格が工場での引渡し価格なのか、輸入者が指定する港までの輸送費を含んでいるのか、もしくは輸送費や保険料を含んでいるのか、どの時点でリスクが輸出者⇒輸入者に移転するのか等を明確にする重要な取引条件ですので、必ず記載します。
貿易取引条件に関する詳細は、こちら実践編②にリンク

⑫ Payment Terms:支払条件
1. 取消不能信用状(「at sight=一覧払い」にしておくと代金回収が早くできる)
2. T/T送金により受注後〇日以内に頭金〇〇%、貨物出荷後〇日以内に残金〇〇%
など、事前に取決めた支払方法を記載します。

⑬ Origin of Goods:原産国
受注した商品の原産国が異なると大きなトラブルになるので、原産国はしっかり明記しておきましょう。

出荷の詳細に関しては、
⑭ Port of Loading/Port of Discharge:積地港/揚地港
どの港から貨物を積込み、どの港で貨物を降ろすのか明記します。

⑮ Freight Type: 輸送手段
船便(by sea)なのか航空便(by air)なのか明記します。
貿易取引条件がEx-WorksやFOBの場合はあまり関係ないですが、CFRやCIFの場合は価格に目的地までの運賃を含みますので、目的地や輸送手段(船便か航空便か)により大きな差が生じます。必ず詳細を記載して下さい。

⑯ Estimated Ship Date: おおよその出荷日
信用状による決済の場合、信用状で最終船積期限が条件として設定されます。信用状に記載された諸条件と一致していない場合、書類の買取りに応じてもらえない場合があるので、納期は余裕のある日数を提示することをお勧めします。
ここで気を付けたいのは、信用状で条件としているのは船積期限であり、工場出荷日ではありません。通常、工場出荷から輸出通関を経て船積が完了するまでに1~2週間を要しますし、また繁忙期には船腹予約をすることが困難な場合もあります。くれぐれも余裕を持ったスケジュールで早め早めの準備を心掛けて下さい。

⑰ Estimated Gross Weight/ Net Weight/ Total Packages
Gross Weight(=G.W.)は商品が梱包された状態(梱包材込み)の総重量、Net Weight(=N.W.)は商品自体の重さ(正味重量)です。通常、貨物の運賃や作業料、保管料等はGross Weightをベースに算出されます。Total Packagesはトータルの梱包数量です。

そして、いよいよProforma Invoiceの「請求書」としての役割を果たすために最も重要な項目である、売り主の銀行口座情報を記載します。
⑱ Bank Name/ Branch/ Address
売り主が支払いの受取口座として指定する金融機関の情報(銀行名、支店名、住所等)を記載します。※輸出した貨物の代金を外貨建てで受取る場合は、予め外貨預金口座を開設しておく必要があります。

⑲ SWIFT Code(BIC)
スイフトコード又はBIC(=Bank Identifier Code)コードとも呼ばれ、国際送金システム上で世界各地の銀行を特定するために用いられる金融機関識別コードです。 現在、8桁または11桁のアルファベットと数字で構成されています。また、アメリカではSWIFTコードと同じような役割をするABAコード(米国内の銀行が個別に保有する銀行番号)が主に用いられています。
SWIFTコードに関しては、受取口座に指定した金融機関に直接問い合わせて下さい。

⑳ Account No: 口座番号
銀行口座の番号を書きます。

㉑ Beneficiary:受取人
売り主が指定した受取口座の名義を記載します(通常、会社名となります)。Addressには受取人の住所を記載します。

基本的には、部材調達や生産は何らかの代金支払いを確認してから開始するので、信用状の開設やデポジット(頭金)の入金のタイミングが直接納期や船積に影響を及ぼします。Proforma Invoiceを買い主に送付する際には、「納期をお約束するためにも、〇〇日までに信用状を開設、またはデポジットを送金して下さい」と必ず一文添えておきましょう。スムーズに取引を進めることができる上、買い主からの支払いが遅れたことにより納期遅延が生じた場合でも、理論的に説明することができます。海外取引においては、トラブル回避のため、常に先回りする意識を持つことが大切なのです。

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コメント

  1. Tadashi Kaneko より:

    We are planning a new export business.
    Kaneko

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