輸出ビジネスで失敗しないための実務-実践編

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前回までの流れで、輸出ビジネスを開始するまでの下準備や交渉にあたっての心構えは十分ご理解頂けたと思います。
それではいよいよ輸出ビジネス実務について説明して行きます。

【商品サンプルの重要性】

買い手側が自社の商品やサービスに興味を持ってくれて、大抵の場合、本格的な交渉が始まる前にまず要望されるのが商品サンプルです。買い手は当然、商品がどのようなものなのか実際に手に取って、品質や性能、仕様等を確認します。また、実際にその先の取引先に商品サンプルを見せて反応を伺うなど、プレゼンテーションやマーケティングのツールとして使用する場合もあります。ここまでお話しして、もうお気付きだとは思いますが、商品サンプルは契約の成否を左右するくらい非常に重要な役割を果たすのです。

一昔前、海外の輸出メーカーではよくある話でした…最初に届いた商品サンプルの出来は素晴らしく申し分なかったのに、いざ取引が始まり量産に入った途端に商品の品質はガタ落ちで不良品の嵐、最初のサンプルとは仕様が異なる…なんてこと(泣) 彼らも気付いていたのです…サンプルの重要性は。
買い手にとっては、最初に手にする商品サンプルが全ての判断基準となりますので、サンプル発送する前に必ず品質チェックや磨き(見た目のチェック)は入念に行って下さい。また、パッケージや取扱説明書、附属品のチェックもお忘れなく。あと、梱包方法や梱包に使用する段ボールやエアパッキン等も意外によく見られています。細部ほど企業の品質に対する取組み姿勢が現れますし、何より提供する商品やサービスのイメージに直結します。

【商品サンプルは有償or無償?】

次に、サンプルを発送するにあたって、サンプルを無償提供するのか、有償とするべきか? 悩むところですね。海外取引においては、通常サンプルは有償なことが多いです。取引が成立するかどうか未だ分からない段階で、売り手が買い手の商品開発や営業活動に関連するコストを支援する必要はないと割り切って、サンプルの要望があった時は購入してもらいましょう。サンプルが有償だったら要らない、なんて言う相手とはどのみち契約成立には至らないと考えるべきです。
とは言え、やはり取引先候補に対して少しでも協力的な姿勢を示したい、良い印象を持ってもらいたい…と考えるのであれば、サンプル特別価格として通常より少し安い価格で販売する(必ず特別価格であることをハッキリ伝えましょう)、もしくは契約成立後の初回受注時にサンプル代金を値引きするなど、後につながる方法を提案するのも一つの手です。

【小口貨物の輸送方法】

海外に小口貨物(サンプル)を送るには、以下の方法があります。他にも色々方法はありますが、ここではトラッキング(貨物追跡)サービスが利用でき、輸送時の事故や損害に備えた保険が付くサービスを紹介します。

①EMS(国際スピード郵便)

郵便局が窓口となります。メリットは他の国際宅急便と比べて圧倒的に安い。
デメリットは、重量制限があり30kgまでの貨物しか受付けてもらえない上、寸法にも制限がある。運賃着払いができない。地域によっては、国際宅急便より1~2日、配達時間が長くなる場合もある。

②国際宅急便(外資系)

・UPS
・FedEx
・DHL

メリットは、とにかく早い。そして、相手先がアカウント(口座)を持っていれば、運賃着払いにすることができる。かなり大きな貨物にも対応しているので(但し、寸法制限あり)、一度問い合わせをして見積を取ることをお勧めします。
デメリットは料金がやはり高い。

サンプルの輸送費は輸入者が負担することが一般的です。外資系の国際宅急便はメジャーな3社ですので、海外取引をしている企業であれば、上記のいずれかの会社でアカウントを持っているケースが多いです。輸入者のアカウント番号を入手し、送り状の運賃着払い(freight collect)にチェックマークを入れるだけで済むので非常に便利です。今後頻繁に海外へ貨物を発送する場合は、法人アカウントを開設すると法人向け運賃レートを設定している場合があるので、いずれか1社でアカウントを開設することをお勧めします。
また、輸送コストを抑えたい場合は、サンプル代金とEMS運賃を予め輸入者に請求し、入金確認後EMSで発送するという方法もあります。

【貿易取引条件の国際基準について】

サンプルを発送するだけでも、商品代金をどうするか、運賃はどっちが負担するか、保険は…等々、色々と考えなければいけないことが沢山あります。実は、貿易においてこれらの取引条件を細かく取決めている国際的な基準として、INCOTERMS(インコタームズ)と呼ばれるものがあります。国内の商取引とは違い、海外取引では商品が国境を越え、長期間の輸送を経て輸入者に引渡されます。輸出者の工場や施設を出発し、輸入者の施設に到着するまでの間に発生する国内輸送費、通関費用、港湾コスト、運賃等、どちらがどの費用を負担するのか、どの時点で商品が輸出者から輸入者に引渡されたと見なすのか、また輸送途中で商品の損害があった場合、どちらがリスクを負うのか…を明確に規定し、標準化したものがインコタームズです。2017年現在、「インコタームズ2010」が最新の規則となっています。

見積りを出す前に、まずインコタームズをきちんと理解する必要があります。インコタームズを理解することは、先の条件交渉を有利に進めると共に、あらゆるリスクを予め軽減するのに役立ちます。インコタームズ2010では、11の貿易取引条件に分類されますが、実際の海外取引でよく用いられるのは恐らく4種類程度です。

次回は、頻繁に用いられる4種類インコタームズに焦点を当てて説明して行きたいと思います。

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