海外の販売店との交渉で結論を出すためのABC

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海外の販売店との交渉では、目的と結論を事前にしっかり考えておくことが大切です。日本人として日本流を通したいという気持ちは大切ですが、欧米のやり方が今の国際ビジネスのスタンダードになっています。例えば、日本の商習慣では、「まずはご挨拶から」と、おみやげを持参して販売店候補の企業に「今日はご挨拶に伺いました」というパターンがよくあります。そして、相手との会話の中からなんとなくお互いに合意できるところが見えてくる。これは日本ではごく普通な伝統的なやり方です。しかし、これが海外では不思議な行動と思われてしまうことがあります。
では、その理由について私の経験談を例に説明いたします。

海外の販売店との交渉で結論を出すためのABC

ある中小企業に勤めていた頃のことです。
海外ビジネスをはじめてから1年くらいでした。
なかなか売上が出ない自分を心配した上司がドイツまで同行してくれました。
この上司は海外ビジネスの経験もなくて英語もできませんが、
国内ではそれなりの成績を出してきたベテランです。

そしてドイツの販売店に訪問しました。
中小企業の商品を扱ってくれる海外企業の多くは、
同じように中小企業がほとんどです。
ですから、面談には社長が出てこられました。

そして、上司はおきまりの「まずご挨拶から」はじまり、
ドイツの印象、日本との違い、旧市街の街並みが…

途中まで熱心に聞いていたドイツ人の社長から、
その話題にほとんど触れることなく、単刀直入に
商品の販売についての課題について質問攻めがはじまりました。

この社長が質問や要求をたくさんする理由は単純です。
課題をクリアして売上げを増やしたいからです。
なぜなら、わざわざ日本からマネージャーが来てくれた。
これは問題解決と自分たちの要求を受け入れてもらう交渉をするチャンスだ。
しっかり交渉しよう。

しかし一方で上司は会社から何の決定権も与えられていません。
ですから「それは持ち帰って、社内で検討します」と答えるだけ。
販売店の社長も交渉にならず、だんだんイライラしてきます。
通訳している私にはその感情がよく伝わってきます。

面談前に上司から「俺の言うことをそのまま通訳すればいい。
余計な事は言わなくていいからな」
そう言われていたので私は我慢するしかありません。

そして面談が終わり、
帰り際に社長が私にだけ聞こえるように
「お前のボスは何をしに来たんだ?何も決められないじゃないか」

なぜこのような発言が出たのか?
答えはシンプルです。
その場で結論を出してほしかったのです。

その夜、私と上司は販売店の担当者と夕食。
販売店の社長は別件があるとの理由で夕食には来ませんでした。
おそらくこれ以上話しても交渉できないと思ったのでしょう。

上司の訪問は1ヶ月前から決まっていました。
それについて何も言いませんでしたが、
面白くなかったようです。

欧米のビジネスでは、
面談や交渉時にできるだけその場で結論を出すことが求められます。
それが欧米では常識なのです。
ですから、この社長は期待して待っていたのに
上司に何の決定権も持たされていなかったので失望していたのです。

できる欧米のビジネスパーソンは3つの案を必ず持っています。
PlanA. 理想とする条件
PlanB. 受け入れさせたい条件
PlanC. 最低ラインまで妥協した条件

この3つを事前に社内で議論し、
そして相手との交渉に入っていくのです。
ですから、相手はこの3つのパターンであなたとの交渉の
落としどころを見極めようとしていると思ってほぼ間違いありません。

まとめ
今回は欧米企業を例に出して解説しましたが、
東南アジア、インド、中東であっても基本的に同じです。
なぜならば、若い経営者の多くは欧米への留学経験があります。
また、母国でも欧米のビジネス方法を学んでいます。
ですから今回の事例は海外とビジネスをする場合、
すべてに当てはまると思って良いです。

販売店との交渉には必ず結論を出すための準備をしておきましょう。
話し合っておくべきなのはこの3つです。
Plan A. 理想とする条件
PlanB. 受け入れさせたい条件
PlanC. 最低ラインまで妥協した条件

最後に
これから海外に進出するのであれば、
経営者が率先して日本と海外のビジネスの違いを知ろうとする努力が
とても重要です。

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