海外の販売店を1か国に1つにすべきでない5の理由

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海外販路を開拓するときに検討すべきなのが、1つの国をどのような販売網で攻略していくかということです。例えば、1つの国に1つの販売店(ディストリビューター)と契約し、その国での販売はすべて1社に任せるという方法があります。いわゆる独占販売店(エクスクルーシブディストリビューター)です。

多くの日系企業は、今でも総代理店を使っています。しかし、グローバル企業は必ずしも総代理店をつくらなくなってきています。それには理由があります。
今回はその7つの理由について解説します。

海外の販売店を1か国1つにするべきでない5つの理由

理由1. 販売店がすべのチャネルをカバーできるとは限らないから

ひとつのマーケット(国)を見たときに、可能性のある市場はどれくらいあるだろうか?もし、とてもニッチな業界を攻めるような商品であれば販売店は1か国に1つで十分な場合もあります。しかし、いくつかの業界にまたがって商品が売れる場合、販売チャネルをひとつの販売店に頼ってしまうことはオススメしません。なぜならば、販売店が得意な業界には売ってくれても、そうではない業界にはなかなか手が回らないからです。販売店は自分たちの都合で動きます。得意ではない業界に積極的な販売努力をすることは考えられません。ですからいくつかの業界へ販売可能な商品であれば、販売店を1か国1つにするべきではありません。

理由2. 流通力が勝負の商品だから

流通力が勝負の商品の場合、販売チャネルについて考える必要があります。東南アジアやインドのような途上国では次の2つのチャネル構築をします。

1. 近代的小売
近代的小売りとは、デパートはショッピングモールのような販売チャネルのことです。このようなチャネルに商品を流通させることができれば、とても効率よく販売ができます。しかし、ここで考えるべきことが2つあります。ひとつは、近代小売りだけではカバーできない市場が大きいということです。東南アジアやインドでは、日本のように流通インフラが整っていません。ですから、郊外に行けばコンビニやショッピングモールはまだまだありません。そこをカバーしているのが個人商店のような伝統小売りチャネルだからです。もうひとつは、伝統小売が市場の多くのカバーしている国では、伝統小売でシェアをとっていなければ、近代的小売りにも受け入れられることはなかなかありません。

 2.伝統小売
先に少し話しましたが、いわゆる個人商店のようなお店への流通チャネルです。東南アジアやインドではまだまだこの市場が大きいです。しかも、日本のような流通インフラが整うには何十年かかるかわかりません。ですから、この伝統小売のチャネルを無視することはできません。この市場をカバーするには、地域ごとに販売店を置く必要があります。なぜならば、よりローカルで細やかな対応が求められるからです。

理由3.販売店がいくつかあったほうが競争するから

何のビジネスでも同じですが、競争原理が働かないとなかなか売上が伸ばすことができません。販売店も他社が売上を伸ばせば、負けないように頑張ります。それだけではありません。サプライヤーである日本企業が、現地へ行ったときに複数の販売店をフォローできます。そして、シェアが伸びてきたら集約していく方法をとることができます。結果を出した販売店だけがより強い権利をもてるように仕向けていけば、より販売につながるからです。

理由4.地政学的にすべてをカバーするのが難しいから

例えば、ベトナムのように南北で距離がある場合です。ハノイとホーチミンの移動は飛行機を使って約2時間かかります。2大都市を1つの企業がカバーするには、よほどしっかりとした拠点を持った企業でなければいけません。例えばどちらかかが本社だと、片方の販売力が劣るということはよくあります。また、フィリピンのような島が多い国も同様です。例えば、ルソン島とセブ島は飛行機でなければ移動できません。インドの場合、国そのものがとても大きく、交通インフラが整っていないので、移動そのものが大変です。販売店をどのように作っていくかどうかは、地政学的な理由から検討する必要があります。

理由5. 同じ国でも文化が違うから

日本は、ひとつの国の中に大きな違いはありません。例えば本社が東京でも、大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌のような主要都市に支店があればカバーできてしまいます。しかし、東南アジアやインドでは地域によって全く文化が違います。ベトナムは、歴史的な影響から、北部と南部で全く違う文化を持っています。今でも南部の人は北部から来る人に対して良い印象をもっていません。インドは、英国の植民地となったときに、はじめて1つの国へ統一されました。その前は沢山の国が集まった地域でした。それぞれの地域がそれぞれ独自の文化を持ち、宗教や言語の違いまであります。実際、インドでビジネスをすると、共通言語が英語ということがよくあります。なぜならば、同じ国でも言語が全く違うからです。インドのように大きく多様性のある市場では、地域ごとに販売店をわけていったほうが上手くいきます。

まとめ

ひとつの国に1つの販売店だけにすると、はじめはとても楽です。しかし、一度、総代理店契約(独占販売店契約)をしてしまうと、簡単に後戻りすることができなくなってしまいます。しかも、販売店が上手く機能しなかったら、はじめからやり直しをしなくてはいけません。少なくとも今回の5つの理由を参考にして、どのような販売戦略をとるべきなのか、良く検討してみてください。

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